こんにちは!まちブロです。
春になると思い出す風景がある。祖父母に手を引かれながら登った、家の近くの小高い山(藤沢山にある白川城跡)。その頂付近にぽつんと立っていた一本桜のことだ。
家からの山道はそれほど急ではなかったが、幼い私には少し大変だった。祖父母は私の歩幅に合わせてゆっくりと歩き、やがて、目の前に大きな桜の木が現れた。淡いピンクの花が空を覆うように広がり、まるで夢の中に迷い込んだようだった。
祖母が風呂敷を広げ、手作りのおにぎりや煮物、漬物を並べた。「〇〇〇(私の名前)、いっぱい食べないと大きくならないぞ」と、祖父が大きなおにぎりを私の手にのせてくれた。その温かさと、しっとりとご飯に張り付いている海苔の風味、ほんのり塩気のある味が今でも忘れられない。桜の花びらがひらひらと舞い、おにぎりの上に落ちてくる。風が吹くたびに、花びらが雪のように舞い散った。寡黙な祖父母だったので、特に何を話すわけでもなかったけれど、桜を眺める横顔を私はただぼんやりと見つめていた。
時は流れて、祖父母はもうとっくの昔に亡くなったけれど、あの一本桜は今も変わらず春を迎えているのだろうか。風に舞う花びらの向こうに、ありし日の祖父母の顔が見えるような気がして、桜が咲いたら一人でこっそり行ってみようと思っている。
読者の皆さんも、ぜひ、お散歩やお花見を楽しみながら、白河の美しい春の訪れを満喫してください。
白河市の桜情報は、こちらからご覧ください。
(まちづくり推進係 剛)
2025年3月28日金曜日
桜の下で、あの日のまま
2025年3月25日火曜日
小路を探そう②
みなさん、こんにちは。まちブロです。
今回は、かつて白河にあった「白河七小路」を紹介します!
なぜタイトルに“②”がついているのかというと、今から約3年前の令和4年3月3日、「小路を探そう①」を投稿していたからです。
当時の記事には、「残りの5つも楽しみにしています!」という嬉しいコメントが!
3年越しになってしまいましたが(お待たせしました!)、ついに第2弾をお届けします!
(当時コメントくださった方、今も読んでくれていますか?)
「そもそも小路って何?」という方は、まずはこちらの記事をチェックしてから読んでみてくださいね!
まず最初は「道場小路」!
名前の由来は、時宗(じしゅう)の寺院を「道場」と呼ぶことからきています。昔、小峰寺(時宗)がこの辺りにあったことが関係しているそうです。
「道場」と聞くと、個人的に思い浮かぶのは、世界のホームラン王・王貞治さんを育てた「荒川道場」。
荒川博さんの厳しい指導のもと生まれた一本足打法で、通算868本塁打というとんでもない世界記録を打ち立てました。
この記録をいつか塗り替える選手が、現れるのでしょうか。野球ファンとしては非常に気になるところです。
続いて「番士小路」。
「番士」とは、広い意味で武士のことで、周辺が武家屋敷だったことから、この名前がついたそうです。
実は、私の小学校時代の通学路だったこの小路。
当時と比べると新しい家が増えたな~という印象ですが、路地そのものは20年前とほぼ変わらず。
かつては武家屋敷だったこの場所。今もここに住んでいる方の中には、ご先祖をさかのぼると武士だったという方もいるのかもしれませんね!
本日最後の小路は、「寺小路」!
名前の由来は、現在大工町にある皇徳寺(こうとくじ)が、昔は雷神山の近くにあり、そこへの入り口がこの辺りだったことからついたそうです。
ちなみに、「寺小路」って他にもあるのかな?と気になり、調べてみたところ・・・
なんと 岩手県奥州市にも同じ名前の地名が!奥州市といえば、 そうです!
世界のスーパースター、「OHTANIさん」こと大谷翔平選手のふるさとですね!(またまた野球ネタで失礼します!)
さらに、この近くに住んでいた上司に聞いたところ、昔ここには測候所(そっこうじょ:天気を観測する施設)があったとのことです。
全国に100か所以上あった測候所も、今では自動化が進み、人がいなくても観測できるようになったことで、どんどん廃止されてしまったそうです。
「無人化」「自動化」って最近どんどん進んでいるイメージですが、実はずっと前からそういう流れだったんですね~。
今回の「小路を探そう②」では、現在も地名(住所)として残っている3つの小路をご紹介しました!
それぞれの小路の場所を示す石碑は、次の図をご覧ください。

次回のシリーズ最終回も、どうぞお楽しみに!!
(まちづくり推進係 岩本)
登録:
投稿 (Atom)