2021年7月13日火曜日

今年で100周年

令和3年(2021年)6月、ここ白河市で100周年を迎えた建物があります。
 
そう、白河市の玄関である白河駅の「駅舎」です。赤瓦の屋根やステンドグラスが特徴的な駅舎は、今から100年前の大正10年(1921年)に建てられました。

100周年を迎えたJR白河駅
 
白河の鉄道開通と駅の開業は明治20年(1887年)の7月ですが、開業当時の駅舎は現在よりも約150メートルほど東にあったそうです。現在、この場所には当時の駅の跡を示す小さな石柱が建っています。
 
当時の駅の場所を示す目印。みなさん、どこにあるかわかりますか?

明治19年(1886年)10月に黒磯まで開通した鉄道ですが、黒磯~白河間も工事が進んでいました。当時の白河の町には工事の人出不足を補うために多くの人が移ってきており、日用品が足りなくなるなどの影響が出ていたそうです。 

翌明治20年の8月、福島・新潟・栃木・茨城の各県を中心とする地域で皆既日食が観測され、観測地のひとつとして、白河の小峰城跡が選ばれました。アメリカから訪れた調査団の荷物を鉄道で運ぶために、工事が急ピッチで進められ、白河までの鉄道開通を間に合わせたともいわれています。
明治20年皆既日食観測地点(小峰城本丸上の雪見櫓の近くです!)
 
その後、鉄道の輸送量が増加していくにつれて、黒磯・白河間の急勾配が輸送力を増やす障害になっていたことから、勾配をゆるめるために鉄道の換線工事が行われたそうです。大正9年(1920年)に現在の高い築堤上のプラットフォームが作られて線路が今の場所に移り、翌大正10年6月に今の駅舎が営業を開始しました。
 
当時の白河駅には白河機関庫と呼ばれる、蒸気機関車に石炭や水を補給したり、点検整備する拠点もあり、機関車の付け替えポイントとなっていました。白河と棚倉を結んでいた白棚鉄道(今のJRバス白棚線の前身)もあり、交通の拠点として重要な役割を持っていました。
 
当時の機関庫(大正~昭和初期の絵はがき)
 
当時の白河駅の様子をさらに詳しく知るために! 
小峰城歴史館ミニ展示「白河駅舎100年」
 
小峰城歴史館で8月22日(日曜日)まで、駅舎100年の節目を記念し、白河駅がたどってきた歴史の一端を紹介するミニ展示、「白河駅舎100年」という企画展が開催されています。

白河停車場平面図
 
この白河停車場平面図は戦前の駅構内の図面で、現在とはずいぶん様子が異なっています。駅舎や貨物ホーム・機関庫と転車台・石炭置場・職員詰所・社宅など多くの施設が書かれており、白河駅が鉄道の重要な拠点として様々な仕事を行い、多くの人がいたことがわかります。現在の駅周辺と比べてみてみると、鉄道に興味のない方でも楽しめること間違いなしです!

私が個人的に見入ってしまったのはこちら。
 

「御注意 空箱は窓から投げないで腰掛の下に置いて下さい」
いまでは考えられない注意書きです。 そして70円...。時代を感じますね。

昭和20年代の白河駅
昭和30年代の白河駅前
昭和43年頃の白河駅前

100年の間で白河駅の周りが大きく変わったことがわかりますが、白河駅舎はほとんど変わっていないことに感動してしまいました。(40年ほど前に色が塗り替えられたみたいです。)
この他にも、昭和62年(1987年)の「開業100周年」記念入場券などが展示されています。普段は見られないような展示物の数々、1度ご覧になることを強くお勧めします!
 
常設の展示でも昔の写真から駅周辺の変化を見ることができます。え!あそこにそんな建物があったの!?というものも。市役所の場所がもともとはマイタウンの近くにあったことを初めて知りました...。勉強になりました。
また、じっくりと見に来ようと思います。
皆様もぜひ訪れてみてくださいね!
 
(まちづくり推進係 青戸)
 
【小峰城歴史館】
所在地:福島県白河市郭内1-73(城山公園内)
開館時間:9時~16時30分(入館は16時まで)
ミニ展示開催中の休館日:7月…12日・19日・26日
            8月…2日・16日
      詳細はこちらをごらんください。
 
お問い合わせ:0248-27-2310(文化財課)







 


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